怖がりの保護犬が看板犬に成長するまで|㊗いろり、はじめての出勤

いろりの森には、ときどき出勤する「看板犬」がいます。
名前は、いろり。
でも実は、最初から看板犬だったわけではありません。
むしろその逆で、いろりはとても怖がりの保護犬です。
離島で放浪していた保護犬。
人にも犬にも警戒心が強く、心を閉ざしていました。
そんな子が、はじめて「看板犬」として出勤する日がやってきたんです。
今日は、怖がりの保護犬いろりが看板犬デビューした日の話です。
保護犬いろりのこと

鹿児島の離島で、長い間放浪していて孤独だったいろり。
迎えたころは、深い闇を抱えた瞳をしていました。
だから囲炉裏のように、みんなが集まる温かい存在でいてほしいという願いから「いろり」と名付けました。
私たちの想いとはうらはらに、彼はそれほど友好的でなく、人も犬もかなり好き嫌いがある…
長いあいだ外で生きてきたせいか、人や犬に対してとても慎重です。
いろりは愛情あふれる子です

看板犬になる予定はなかった

保護犬いろりが家に来たばかりのころは
- 上目遣いで不安そうに見る
- 触れられるのを極端に嫌がる
- 物音にびくっとする(これは今もある)
そんな様子だったので、『看板犬は無理やな。』とあきらめていました。
その子のペースで過ごせばいい。
無理に人に慣れなくてもいい。
ただ家族と静かに暮らしていければいいと思っていました。
看板犬をあきらめ自宅警備犬に…

そして、看板犬デビュー。はじめての出勤の日

いろりの森に何度も来てくださっているFさまご夫妻と空水さん。
いろりとぶーちゃんに会ってみたい。という話になり、私たちがしぶっていると…
「僕は犬と人の中間なんで大丈夫だと思いますよ。」
Fさまの謎発言と謎の自信に負け、いざいろり初出勤。
私たちもどきどき。いろりも少し緊張した様子で宿に到着。
はじめての犬友


しっぽは上がり、みるみる表情から緊張が消えました。
空水(そらみ)姐さんの優しさや穏やかさに安心してる様子です。


Fさまご夫妻の柔らかい空気感、初対面なのにいろりはいつも通りの自然体で過ごせました。

極度のビビりっ子、ぶーちゃんも素を出せるほどリラックス。
すごい!
いろりが看板犬になってる。
それは、いろりがわが家に来た当初では想像できなかった姿でした。
看板犬なんて無理。家でゆっくり過ごしてくれれば…
そう思っていたけれど、こうやっていろりがお客さまに愛され、その愛犬と過ごす姿はとても嬉しいものでした。
いろりの表情もいつも通りで、安心とともに『この子の可能性がもっと広がるかもしれない。』という気持ちにもなりました。
怖がりの保護犬はゆっくり成長する

保護犬は、急に変わるわけではありません。
少しずつ、少しずつ。
怖かったものが、怖くなくなったり。
苦手だったことが、できるようになったり。
いろりもきっと、そうやって成長している途中だと思います。
そしてこの日。
はじめての出勤の日は、いろりにとっても私たちにとっても小さな記念すべき一歩でした。
犬のストレスサインについて

いろりの森の看板犬、小さな成長を見守るこれから

いろりは、まだ完璧な看板犬ではありません。
人や犬が多いと緊張することもあります。
知らない音に驚くこともあります。
でも、それでいいと思っています。
怖がりな犬でもいい。
少しずつ慣れていけばいい。
そんな犬たちでも安心して来られる場所がいろりの森だからです。
いろりの森は怖がりの保護犬たちも安心の宿です

Fさまご夫妻&空水さん、ありがとうございました。
心から感謝です。
最初で最後の出勤にならないよう、また、機会があればいろりと共にみなさんとお宿で会えるかもしれません。
そのときは看板犬いろりをどうぞよろしくお願いいたします。
短い間ですが、繫殖引退犬チャコも看板犬として活躍

怖がりの保護犬いろり。
そんな子が、はじめて看板犬として出勤した日。
特別な出来事ではないけれど、私たちにとっては忘れられない一日になりました。
怖がりの保護犬は、ゆっくり変わっていきます。
そしてときどき、思いがけない成長を見せてくれるものです。
いろりの看板犬人生は、まだはじまったばかりです。



